
神様のメモ帳 最終話。
事件の真相と彩夏の想いが語られる―――。
以下感想
天使の翼
「天使の翼」は幻覚ではなく本当に実在したドラッグ「エンジェルフィックス」には知覚を鋭敏にする効果があり、
服用者のみが売人の目印である「天使の翼」を観ることができる。
服用者が勝手に売人にたどり着くため、
売人は表立ってドラッグを配る必要がない。
一向に売人が見つからなかったのはこういう理由だったんですね、
納得です。
売人を見つけるため、鳴海は自らエンジェルフィックスを服用いやいや、いくらなんでもドラッグに手を出すとかやりすぎだろ!というか服用者を見つけてそいつを尾ければいいだけなんじゃ・・・。
ドラッグに精神をやられた鳴海が見たのは「天使の翼を生やした彩夏」
鳴海が自らドラッグを服用したことも含めて、
それだけ鳴海の中で彩夏に対する罪の意識が強いということなのでしょうね。
鳴海が見たのはエンジェルフィックスによるバッドトリップエンジェルフィックスはあらゆる精神作用を拡大させて、
服用者には目の下に特有のうっ血が生じる。
そういえば
前々回、飛び降りを行った際の彩夏にもうっ血がありましたね。
彩夏が発作的に自殺を図ったことにもこれで納得です。
作家と探偵
鳴海の捨て身の行動で墓見坂のアジトが判明四代目率いる平坂組と共に乗り込むニート探偵団ですが、
墓見坂はすでにエンジェルフィックスで廃人寸前。
自らの育てていた植物の正体に気づいた彩夏に
エンジェルフィックスを飲ませたのもコイツ。
「神様のメモ帳」を見たことがあるアリスは
天国へと至る寸前の墓見坂を地獄へと突き落とす、
正真正銘のクソ野郎にはお似合いの最後ですね。
鳴海たちはさらにアジトでトシも発見、
怒りに震える鳴海はトシを殴打こうして事件は解決、
残ったのは激しい痛みと後味の悪さだけ。
ホントビックリするぐらい後味の悪い事件でしたね。
季節が流れても彩夏は目を覚まさず、
アリスは最後に彩夏の言葉を代弁します彩夏が学校の屋上から飛び降りたのは
「鳴海との聖域(学校の屋上)を守りたかったから」
そして屋上には鳴海に向けたメッセージが残されていた。
彩夏はドラッグにやられながらも最後まで鳴海のことを想っていた、
ベタですが思わずウルっとくるラストシーンですね。まとめ
エンジェルフィックス事件解決。
事件自体はものすごく後味が悪かったですが、
だからこそアリスや鳴海、彩夏の想いが強く光り輝いていましたね。暗い結末にわずかな希望というオチは私の大好物です。
これまで普通に活躍してきた主要キャラが
犠牲になるというエピソードのため、
主要キャラに非常に感情移入しやすかったですね。
これまでの伏線もしっかりと回収されていましたし、
個人的には文句なしに面白かったです。
逆に言ってしまうと、これまでのエピソードでは
鳴海に感情移入しにくかった点が惜しかったですね。
この作品は扱うテーマがテーマなだけに
どうしても重い空気になりがち。
さらにメオのエピソードや錬次のエピソードでは
話の展開や状況の変化がいまいち捉えにくく、
置いてけぼり感を感じていなかったといえばウソになります。
どうやら原作では今回のエピソードが一番最初のエピソードらしいですね。
原作通りの順番なら鳴海の行動原理がよく理解でき、
上記のような置いてけぼり感は薄れたのだろうと思います。
しかし今回のエピソードをあえてラストに持ってきたからこそ、
彩夏の自殺がより衝撃的に感じられたのだろう、
ラストシーンの感動も増したのだろうとも思います。
まぁ原作未読の私が原作改変についてあれこれ考えるのはおかしな話。
これまでのエピソードも先の展開を考えるのは面白かったですし、
第1話や
第4話、そして今回のエピソードは文句なしでした。
蓋を開けてみれば3ヶ月間、十二分に楽しむことができていましたね。
総評はまた後ほど、
とはいってもここで書いたことと似たような内容になると思います。
→
作品の総評
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