

禁書3期 第6話。
超能力者と無能力者の死闘、学園都市最高位による頂上決戦。
以下感想
悪党の美学
超能力者と無能力者の死闘、学園都市最高位による頂上決戦。・滝壺を排除するため、スクールがアイテムのアジトを襲撃
→砂皿(スクール)と絹旗(アイテム)が脱落
→能力使用の限界を迎えた滝壺は浜面により黄泉川に保護される
・麦野がフレンダを粛清、滝壺を求めて浜面の前に登場
→浜面は滝壺を守るために麦野と対峙し、撃破に成功
・一方通行を標的とした垣根は打ち止めと共にいた初春を襲撃
→一方通行と垣根によるレベル5頂上決戦、一方通行の勝利
→一方通行は暴走状態になるものの打ち止めの介入で矛を収める
・土御門は垣根から「ピンセット」を回収により
→グループは「ドラゴン」という暗部にまつわる新たなキーワードを知る
アイテムは内部崩壊、スクールもリーダーの垣根がリタイア、
唯一生き残ったグループは次なるステージへ、といったカンジですね。
今回の内容で特筆すべきはやっぱりフレンダがフレンダされたことについて。
原作をはじめて読んだ際は、麦野の残忍さと異常さを強調し、
浜面が麦野と戦わなければならない理由を補完する、
ただの舞台装置程度としか思っていなかったんですけどねぇ・・・。
ちなみにアイテムの4人はアニメでは超電磁砲2期が初出ですが、
原作では今回が初出で、出てきて早々にお亡くなりだったわけです。
超電磁砲とかで描かれていた麦野とフレンダは、
麦野は"麦野流ではあったけどフレンダのことを可愛がっていた"し、
フレンダは"そんな麦野のことを怖がりつつも心底信頼していた"
しかし学園都市暗部という異常な世界では、そんな二人の関係も、
何か一つが狂っただけで途端に終わりを迎えてしまう。
むしろ、これまで二人の関係が成り立っていたことのほうが異常だったのかも。
あぁちなみに、麦野とフレンダどちらが悪かったのかについては、
個人的にはどっちもどっちだろうと思います。
フレンダの裏切りは(本人に自覚がなかろうと)到底許されるレベルじゃないですし、
フレンダが垣根に捕まったこと自体はリーダーである麦野の責任でもありますし。
それ以外の見所としてはレベル5内の"悪党として"格付けでしょうか。
ムキになったら仲間も殺っちゃう麦野に比べれば、
障害にならないようなら敵でも見逃す垣根のほうが数倍マシ。
一方、垣根は障害になるようなら一般人にも危害を加える一面もあるため、
どんな状況だろうと一般人は守り切る一方通行のほうがさらに格上。
まぁその一方通行も危ういところに堕ちかけていたのでまだまだと言える。
結局はアホ毛幼女こそ最強というのが今章の結論でしょうかw
補足、解説
暗部における無能力者の命の価値暗部に生きる無能力者の末路は「顔も名前も知られぬままゴミのように処分される」
アニメでの浜面はそんな運命にどこか達観していた印象ですが、
原作では「いつから俺の命はこんなに軽くなっちまったんだ」と深く絶望しており、
でもってその胸中を滝壺には明かしておりました。
滝壺が浜面を守るため垣根に立ち向かったのは、
浜面の告白に滝壺なりに思うところがあったからなのでしょう。
そして浜面はこのとき、ただ単に滝壺に命を救われただけじゃなく、
暗部の中で深く絶望していた心も滝壺に救われていたわけです。
浜面が麦野相手に滝壺を守ろうと行動したのは。
滝壺がただ良いやつだからってだけじゃなく、
初めて自身の命の価値を肯定してくれた大切な人だから。
対する麦野が無能力者はおろか仲間の命すら虫けら扱いする、
暗部の在り方を体現しているようなやつだからなんですよ。
AIMストーカーアイテムの構成員、滝壺が持つレベル4の能力で、
対象のAIM拡散力場(能力者が無自覚に発する力場)を記録し、
対象がどこにいようと、どれだけ離れていようと捕捉可能というシロモノ。
その希少性と有用性からアイテムの中核を担っていると言える能力で、
特に遮蔽物ごと相手をぶち抜ける麦野のメルトダウナーとのコンボが強力ですね。
今回の滝壺は捕捉のさらに一段上、"能力への干渉"を垣根相手に試みました。
垣根があっさり撤退したのは、滝壺が能力使用不能に陥ったってのもありますが、
滝壺の干渉の影響で能力の再調整が急ぎ必要となったからです。
能力が強力であればあるほど暴走した際のリスクも跳ね上がりますので。
ちなみにこれ、「相手の能力を操作する能力」とも言えるとんでもないシロモノで、
仮に完成すればレベル5の仲間入りどころの話じゃ済まなくなります。
しかし残念なことに現在のAIMストーカーは、
「体晶」という薬物を摂取しなければ使用できないという制約があります。
"拒絶反応を起こして意図的に暴走状態を誘発する"のが「体晶」の用途ですので、
今回のように乱用すればそりゃ身体が保たなくなりますよね。
浜面と黄泉川、一方通行と黄泉川元スキルアウトの浜面とアンチスキルの黄泉川は補導少年と警察官の間柄。
昔は天敵だったのでしょうけど今の浜面にとっては唯一頼れる相手でした。
一方通行(と打ち止め)にとって黄泉川は下宿先の主だったのですが、
一方通行が早々に暗部堕ちしたため直接的な付き合いはたかだか数時間程度。
しかしおせっかいな黄泉川は短い付き合いでも一方通行の性根を理解しており、
一方通行にとってもそんな黄泉川は結構特別な存在なんだと思います。
レベル5の序列学園都市の能力者は能力の"強度"に応じたレベル分けがされており、
7人のレベル5には第1位から第7位までの序列がつけられているわけですが、
この序列は"能力研究の応用が生み出す利益"が基準で決められています。
最たる例が第3位の美琴と第4位の麦野の関係ですね。
二人の能力は共に「電子を制御する能力」で、
単純な火力だけ見ればビームを乱射する麦野のほうが上なのですが、
応用力では電撃だけでなく磁力操作やハッキングもできる美琴のほうが上。
実際に二人がガチれば高確率で麦野が勝つと思う。
能力云々よりも性格や身体能力の差が大きく出てきそうな気もしますが。
要はレベル5の序列は強弱の判別にはならないわけなのですが、
第1位と第2位については「アレイスターのプランのメインとスペア」という、
第3位以下とは微妙に意味合いが異なる位置づけとなっております。
さらに第1位については唯一レベル6に到達可能(だった)とされています。
実際、一方通行は美琴を、垣根は麦野を、軽々と退けていますし、
また今回で一方通行と垣根の格付けもハッキリとしたため、
一通>>>(越えられない壁)>>>垣根>>>(さらに越えられない壁)>>>第3位以下
ぐらいの力関係なんじゃないかと思っています。
未元物質(ダークマター)垣根帝督の持つレベル5、学園都市第二位の能力。
ダークマターと呼ばれる素粒子を自在に生み出し、操作する能力で、
メルヘンな6枚の白い翼としての運用を基本としている。
ダークマターは"本当にこの世界には存在しないはずの物質"なので、
こいつがもたらす物理現象は本来であればありえないものとなります。
つまりは、新たな物理法則を構築し掌握する「世界を書き換える能力」
"異世界の法則を現実世界に適用する"魔術に近い性質を持つ能力とも言え、
その点は「一方通行の黒翼」との共通点として示唆されています。
ただし、垣根が持つ世界はあくまで「ダークマターが存在する世界」に限っており、
「ダークマターが存在する世界」それ自体を好き勝手いじれるわけではありません。
とはいえ、他の科学技術や能力じゃ代用の効かない独自性がありますし、
やろうと思えば大抵のことはできてしまう万能さを持っています。
一方通行のベクトル変換に勝るとも劣らない、
学園都市の頂点に君臨するにふさわしい能力ですね。
一方通行vs垣根帝督垣根が一方通行の反射を突破できたカラクリと、
最終的に破れてしまった理由は本編で語られていた通り。
一方通行の反射には有害無害のフィルタリングがあり、
垣根は無害のベクトルを有害なものに変質させる、
または攻撃を無害なベクトルへと偽装し、一方通行にダメージを与えました。
(何気に、純粋な超能力で一方通行の反射を突破するという偉業)
しかし、一方通行がダークマターを解析しフィルタを新たに組み直したため、
垣根の攻撃はすべて反射されてしまうこととなりました。
街中の飛び回り建物を破壊し尽くす過激なぶつかり合いの裏側で、
両者が行っていたのは「複雑極まる相手の能力の解析し尽くす高度な頭脳戦」
最高位の能力者ということは同時に学園都市随一の頭脳の持ち主なわけで、
そういう意味でも両者の戦いは学園都市頂点にふさわしいものと言えますね。
ちなみに、一方通行のベクトル変換は攻撃用途以外にも、
"通常は知覚できないありとあらゆるベクトルを知覚できる"感知能力の側面が、
垣根の未元物質にも同様に感知能力としての側面があるのでしょう。
一方通行の黒翼垣根がメルヘンならこっちは厨二病全開の一方通行の黒翼。
一方通行が演算能力を失うか正気を失うときにのみ発現する能力で、
通常のベクトル変換とは異なる"この世のものではない莫大な力の制御"です。
一方通行の攻撃が一貫して黒塗りだったためイマイチ区別つきにくいですが、
(おそらくは一方通行の攻撃と垣根の攻撃との区別するため)
正気を失う前の一方通行の攻撃は突風や衝撃波で、
あくまで通常のベクトル変換による攻撃になります。
まとめ
てなわけで今回は暗部抗争編のクライマックス。
悪い方向に予感が当たってしまったと言いますか。
原作の内容から期待値がめちゃくちゃ高かったことも相まって、
個人的にはものすご~く残念な内容となっておりました。
残念だった点を全部挙げるとキリがないのですが、
"浜面が抱えていた絶望、滝壺が浜面を守ろうとした理由"
せめてこれだけは省略せずにちゃんと描写してもらいたかったです。
だって浜面ってこの事件を機に3人目の主人公となる男ですよ。
特別な力も意志も持たず、誰からも期待すらされていなかった男が、
それでも大切な人を守ろうと死に物狂いでのし上がっていくんですよ。
そのバックボーンの一部を省略しちゃうのはいくらなんでもなぁ・・・。
確かに物語的に辻褄は合うんだけど、行動の重さが全然違ってくるんですよねぇ。
まぁ過ぎたことを言っても仕方がないので切り替えていきましょう。
次回からは再び上条さん視点に戻り、神の右席、アックアとの戦いへ。
アックアの強キャラっぷりとそれに挑む天草式の不屈の精神が素晴らしい、
暗部抗争編に負けず劣らずの好エピソードですので、超期待してます。
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第7位だけは能力がブラックボックスだからわかりませんが、確かに美琴が単独で垣根に勝てるとは思えませんね
>そのバックボーンの一部を省略しちゃうのはいくらなんでもなぁ・・・
半蔵さんも存在カットされたから浜面が二丁目の拳銃を持ってた伏線やスキルアウトに復帰する選択肢を蹴って一生をかけて滝壺を守る決意をしたってのもなくなってますしね