窓から見える水平線

アニメやマンガの感想を日々更新しています
HOME > .アニメ感想(放送終了)> Fate/stay night [Unlimited Blade Works]> Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #19 理想の末路(こたえ)

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #19 理想の末路(こたえ)

Brave Shine(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)

Fate/stay night UBW 第19話。
「正義の味方」に憧れた男の末路、英霊エミヤ。
以下感想

「正義の味方」という間違い

「正義の味方」に憧れた男の末路、英霊エミヤ。

アーチャーの正体、その名も英霊エミヤ。
遠い未来、世界を守る「守護者」として英霊になった衛宮士郎ご本人。
「守護者」とは世界のバランスを保つため少数の命を奪う掃除屋。
つまりはかつて「正義の味方」を諦めた切嗣が至った領域で、
幼き日の士郎が「そんなのは嫌だ」と拒んだ在り方そのものであるわけです。
まったくもって皮肉としか言いようのない話ですよねぇ。

そんな英霊エミヤが自らの呪縛から解き放たれる方法は、
自分殺しを行い因果の矛盾を起こす以外に存在しない。
実際のところ、彼は今の士郎とは異なる存在へと発展しているため、
この方法で彼の悲願が成就する保証はないのですけど。
にもかかわらず明らかにより確実であろう方法、
「聖杯に願いを託す」という選択をしないあたりから、
英霊エミヤの胸に秘めた思いが垣間見えますね。

「正義の味方」を目指していた英霊エミヤがここまで歪んでしまった理由は、
生前成し遂げた偉業だけでは満足できず死後までも売り渡してしまったから。
「自分が知りうる限りの世界では誰にも泣いてほしくない」とは言うものの、
その世界を結果的に全世界規模にまで拡張してしまったことこそが彼の誤ちです。
ではなぜ、いずれ行き止まりに行き着くとわかっていたにもかかわらず、
彼がこのバカげた繰り返しをやめることができなかったのかと言うと・・・。

ここからは私的な推察になるのですが、その理由はやはり、
「借り物の願望を自身の本当の願望だと履き違えていたから」だと思います。
エミヤ/士郎の本当の願望は「正義の味方」になることなどではなく、
「例の大災害から唯一人生き残ってしまった罪悪感から解放されること」
所詮は借り物の願望だから、どれだけその姿に近づこうと決して心は満たされない。
逆にもし英霊エミヤが生前の間にこの事実を直視できていれば、
少なくともこうして英霊エミヤが生まれてくることはなかったと思います。
結局、言いようのない破滅願望を抱いている彼にとっての救いは死しかなく、
今まさにこうして死という安寧を求めていることこそが良い証拠です。


なので「衛宮士郎は早々に死んだほうがいい」という、
英霊エミヤの言い分は彼の立場からすれば反論の余地がないのですが、
「あくまで英霊エミヤは衛宮士郎が到達しうる一つの可能性に過ぎない」
この一点だけは決して忘れてはいけませんね。
英霊エミヤという失敗例を知った士郎は別の可能性だって選べますし、
仮に同じ道を選んだとしても今度は後悔することないでしょうし。

もう一人の異常者

士郎と英霊エミヤが対峙する裏で、ついに聖杯戦争のフィクサーが姿を現す。

これまで謎であったランサーのマスターは聖杯戦争の監督役、言峰綺礼。
斥候と本命、2体のサーヴァントを操り、間桐家のマスターを言葉巧みに利用する。
第四次聖杯戦争の実質的な勝者なだけあって、
その戦術は第四次で時臣、そして自身が使用したものを彷彿とさせますね。
そして聖杯戦争も佳境となってはもはや斥候役は不必要。
第四次も第五次も、ランサーは自害を強要されるのが決まりなのでしょうか?w

綺礼がその本性を露わにし、凛も10年間綺礼に騙されていたことに気づく。
さすがの凛も綺礼の異常性のすべてを理解していたわけではないはず。
にもかかわらず凛の綺礼への罵声は恐ろしく的確で驚かされました。
どんな地獄も煉獄もこの男の前では苦行にすらならない。
生温い幸せこそが綺礼にとって最大の天罰でしょうからw


まとめ

てなわけで今回はアーチャーの正体判明と彼が抱く後悔について。
他人のためだけに戦い続け、死後の魂までも束縛され、
そこまでして得られたものは激しい後悔とかつての自分への嫌悪感のみ。
どうしようもなく愚かで救いがなさすぎて見てられないですよねぇ。

そんな彼が自分殺しという禁忌を犯そうとする気持ちはよくわかる。
彼の言い分は非常に理にかなっていますし、
対する士郎の言い分は根拠も何もないただの子供の戯言にしか聞こえない。
だがしかし、いやだからこそ、ここは何が何でも士郎に勝ってもらいたいですね。
でなければ英霊エミヤも永遠に報われないままですし。
関連記事

にほんブログ村 アニメブログへ
にほんブログ村

[ 2999 ] Re: Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #19 理想の末路(こたえ)
>ここからは私的な推察になるのですが、その理由はやはり、
「借り物の願望を自身の本当の願望だと履き違えていたから」だと思います。
>エミヤ/士郎の本当の願望は「正義の味方」になることなどではなく、
「例の大災害から唯一人生き残ってしまった罪悪感から解放されること」
所詮は借り物の願望だから、どれだけその姿に近づこうと決して心は満たされない。

僕も同感です。
付け加えるなら、その借り物の願望のために、自分が本当に救いたかったものを犠牲にしていた、
その矛盾と破綻に生涯気が付かないほどに士郎が壊れてた事ですね。

なにしろ救った人たちにさえ理解されず、常に疑われ、恐れられ、友人の裏切りで
絞首台行きになっても誰も恨まずに笑ってたそうですから。
ただ一つの心残りは、自分を裁くのは自分の正義の犠牲になった人たちの憎悪であってほしかった。
そこまで自分が犠牲にしてきた「本当に救いたかった人たち」に対して罪悪感を抱いていたのに、
自分の本当の願望に守護者なんてものになるまで気づかなかった。
あまりに自分の痛みを顧みなかった士郎は、凜の言う通り、壊れて当然、否、壊れていなければできない生き方をしてしまったんですね。

シャーレイの件と父や師を手にかけた罪悪感故に止まれなくなった切嗣とは対照的ですね。
士郎と切嗣は、共通点が多いですが、切嗣の方が悪く言うと弱く、良く言うと人間的な印象を受けます。
[ 2015/05/19 20:43 ]
[ 3000 ] Re: Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #19 理想の末路(こたえ)
当初の望みは「自分が知りうる限りの世界では誰にも泣いてほしくない」だったのに、
人助けを繰り返す内に規模が大きくなって個人ではどうしようもなくなり無力感に陥った。
改めて考えてみると、これって新約に入ってからの上条さんに共通してますね。
ま、上条さんは別に借り物の理想にすがってたわけじゃないし、
新約9&10で、美琴や「総体」さんにガツンとやられて軌道修正されましたけどね。

一歩間違えれば、上条さんもアーチャーみたいな末路を辿った可能性があるかと思うと、
ゾッとしませんね……
というか、新約9の「見方が違う世界」の上条さんの立場って、生前のアーチャーと同じなのか。
必死に争いを止めたのに、誰にも理解されず、争いの元凶扱いを受けてるんだから……
[ 2015/05/23 21:36 ]
[ 3004 ] 河原さん、コメントありがとうございます
> なにしろ救った人たちにさえ理解されず、常に疑われ、恐れられ、友人の裏切りで
> 絞首台行きになっても誰も恨まずに笑ってたそうですから。
> ただ一つの心残りは、自分を裁くのは自分の正義の犠牲になった人たちの憎悪であってほしかった。

エミヤが本当に、自身を救ってくれた切嗣の姿に憧れていたのなら、
救えなかった人々ではなく救った人々に目を向けるべきであり、
救った人々から拒絶されるだなんて許容できるわけがないんですよね。
にもかかわらず救えなかった人々ばかりに目が向いてしまうのは、
自身の罪を誰かに裁いてもらいたかったという思いの顕れでしょう。

> シャーレイの件と父や師を手にかけた罪悪感故に止まれなくなった切嗣とは対照的ですね。
> 士郎と切嗣は、共通点が多いですが、切嗣の方が悪く言うと弱く、良く言うと人間的な印象を受けます。

人間になろうとする機械と、機械になろうとする人間とで、
士郎と切嗣の本質は見事なまでに正反対ですからねぇ。
両者ともその境遇を鑑みれば同情せずにはいられませんが、
切嗣のほうがまだ逃げ道が残っていたのではないかと思います。
[ 2015/05/24 19:58 ]
[ 3005 ] 通りすがりの幻想殺しさん、コメントありがとうございます
> というか、新約9の「見方が違う世界」の上条さんの立場って、生前のアーチャーと同じなのか。
> 必死に争いを止めたのに、誰にも理解されず、争いの元凶扱いを受けてるんだから……

争いあるところに「正義の味方」があり、
逆に言うと「正義の味方」というのは争いなくして存在しないわけで、
見方を変えれば彼らこそが闘争の象徴と言えなくもないかもですね。
苛烈な正義が闘争をより激化させることだって十分に考えられますし。

しかしそもそも闘争というのはいくつもの要因が複雑に折り重なって生じるもので、
誰か一人がそのすべての責任を負うというのは大きな間違いである。
にもかかわらず、わかりやすい象徴にすべての責任を押し付けてしまうことこそが、
人間が持つ根源的な弱さなのでしょうね。
[ 2015/05/24 20:12 ]
コメントする








トラックバック
この記事のトラックバックURL

Fate/stay night [UBW] 第19話 「理想の末路」
今明かされるアーチャーの正体 ついにアーチャーの正体が判明!まあゲームを知らなくてもこのアニメで追っていればここまででだいたいの方は分かっただろうけど(ノ∀`) 自分が初めてそれを知ったのはDEENアニメを見終わった後ゲームプレイヤーの知人との会話の中だったけどその設定面白いなと思ったのでZEROからよりもセイバー編からという方がこの事実の繋がりはいいかも。
[2015/05/17 19:43] ムメイサの隠れ家
Fate/stay night UBW 2ndシーズン #19 コメント感想
[理想の末路] 嗚呼、ついにランサーさんが自○されてしまった、、、 凛の前ではイケメンで絶対惚れるくらい格好良かったのに残念。 今回で英雄エミヤのお話しが終わり次回からラストスパート。 説明回でしたが、見入ってしまいましたよ。さすがです。
アニメ「Fate/stay night [UBW]」第19話「理想の末路」感想ヾ(*・∀・)/
アーチャーの正体やランサーのマスターが判明した今回。 召還者との繋がりがあったからアーチャーが呼び出されたのね。 そしてランサーに殴られたワカメの一瞬の顔に爆笑したわw ア ...
[2015/05/17 21:51] とっくりん
Fate/stay night[UBW] BS11(5/16)#19
第19話 理想の末路(こたえ) 公式サイトから遂に明かされるアーチャーの正体。英霊は現在と過去、そしてまだ見ぬ未来―あらゆる時代から呼び出される。衛宮士郎は己の理想の果て、その想いを信じ貫き通した答えである「正義の味方」と相対する。 ランサー、セイバーと並んでアインツベルンの別荘に現れた士郎。ようやく気づいたよ、ペンダントが2つあることに。衛宮士郎は命を救ってくれたペンダントを生涯持ち続けた...
[2015/05/17 22:23] ぬる~くまったりと
Fate/stay night:19話感想
Fate/stay nightの感想です。 10年越しの愉悦。
[2015/05/17 22:40] しろくろの日常
【アニメ】Fate/stay night [Unlimited Blade Works]  第19話「理想の末路(こたえ)」感想
アーチャーさんにさらわれた凛と、その前に姿を現す慎二と金ピカマン。 このままでは凛は夜明けとともに慎二の毒牙にかかってしまう! 急げ士郎! 絶対に凛を救出するんだ! 主に俺のために!! ・・・前回の感想で、今回のネタバレをやってしまっていました('A`) 大変申し訳ございませんorz 展開のネタバレというより守護者関連の設定のネタバレでしたが(´・ω・`) 原作で...
[2015/05/17 23:43] 今日から明日へ(仮)
Fate/stay night「第19話 黄金の王」
Fate/stay night「第19話 黄金の王」に関するアニログです。
[2015/05/18 04:40] anilog
Fate/stay night 第19話 『理想の末路(こたえ)』 アーチャーの正体は英霊エミヤ!!
初めて知った時はビックリした。なにせ衛宮士郎とアーチャーは似ていない。ずっと長身で白髪で褐色の肌。老けたとかそういう話以前に人種すら違うと思っていた。 元になったゲームにボイスはありませんが、最初にアニメ化した時も衛宮士郎とアーチャーは別の声優でしたし。そこらへんは終盤まで分からない様に配慮していたんでしょうね。 見果てぬ夢でした。正義の味方になり、全ての人間を救う。前者は努力の甲...
Fate/stay night UBW 2nd 7話「理想の末路(こたえ)」
評価 ★★★ それで誰も泣かずにすむのなら……         
【Fate/stay night [UBW]】第19話『理想の末路』 キャプ付感想
Fate/stay night [UBW] 第19話『理想の末路』 感想(画像付) アーチャーの正体…ずっと待ち続けた一つの望み。 正義の味方を理想としたその末路。 士郎は真実を知ってもまだ理想を求めるのか(^^; 運命からは逃げれないのでしょうかね?  
[2015/05/18 23:32] 空 と 夏 の 間 ...