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新約 とある魔術の禁書目録 12巻

新約 とある魔術の禁書目録 (12) (電撃文庫)

「新約」とタイトルを新たにした
「とある魔術の禁書目録」12巻の感想です。

「サンジェルマン」

魔神とも魔術師とも違う「第三の分類」、サンジェルマン。

サンジェルマンは「シャンボール」という術式で炭素を自在に操る。
炭素は単体でも化合物としても非常に多様な形質や性質になりますし、
何より人体を構成する最も代表的な材料です。
サンジェルマンはそれなりにムチャクチャな戦いを繰り広げていましたが、
それでも、この術式が秘める途方も無い可能性に比べれば全然甘く思える。
さすがに「魔神」やら「聖なる右手」には及ばないとしても、
一魔術師の能力としてはあまりにも規格外。
そういう意味合いでも、魔神とも魔術師とも違う「第三の分類」はしっくりきます。

そんなサンジェルマンの最大の特徴は、
「他人に人格を感染させ増殖する」という無限増殖能力。
最近だと新約第6巻、覚醒ていとくんの「未元物質」を連想させる、
もはやこの作品ではお馴染みとも言える能力でもあるのですが、
その本質は新約第7巻の「人的資源」に近いのかなぁと考えていたりします。

最終的にどういう存在だったのか、
どういう目的を持っていたのかも曖昧なサンジェルマン。
確かっぽいのは「魔神」に対する強い対抗意識ぐらいなもので、
行動には矛盾点がありすぎて、発言には嘘が多すぎて、
結局いろいろと考えましたが私には明確な答えが見つかりませんでした。
嘘をつくにはそれ相応の理由があるのであれば、
すべての発言を一つ一つ紐解けばその本性にたどりつけるのでしょうが、
・・・とてつもなくめんどくさかったため断念しちゃいましたw
これという答えをお持ちの方がいれば是非ともお聞かせ願いたいものです。

「藍花悦」

学園都市の頂点、7人いるレベル5の第6位、藍花悦。

いよいよこれまで謎だった第6位の正体判明か?と思われた今巻ですが、
今巻における「藍花悦」は「藍花悦」を名乗る一人の少年でした。
本物の藍花悦は、「藍花悦」という学園都市内では最強クラスの武器を貸し、
他人に行動を促したりすることを事業として手がけている模様。
非力に悩む弱者に手を貸すあたり一見すると慈善家に思えるのですが、
人格がもれなく破綻しているレベル5であることも考慮すると、
おそらくは相当悪趣味な理由でこの事業を手がけているのでしょうw


魔術サイドには「偶像の理論」という基本理論が存在しているように、
ブラフという意味合いだけでなく、それこそオカルト的にも、
この名前が使用者にもたらす力は大きはず。
新約第7巻でも、この名前を騙った偽者(おそらく大した能力者ではない)が、
他のレベル5に勝るとも劣らない活躍をしていたぐらいですから。
しかし今巻の加納神華が真価を発揮したのは自らの名を明かした後。
このあたりに今巻のテーマが込められているのでしょうね。
多分、サンジェルマンの正体も「嘘そのもの」だったんだろうなぁと、
今は勝手に納得をしています。

フレンダ=セイヴェルン

元「アイテム」のメンバーの一人、フレンダ=セイヴェルン。

新約1巻にて妹のフレメアが登場して以来、
時折、思い出したかのように出番がやってくる故人、フレンダ。
特に登場人物過多な今作ではすっかり出てこなくなったキャラも多い中、
故人でありながらこれほどまで優遇されるってのはもはや偉業ですねw
ぶっちゃけインなんとかさんよりよっぽど活躍してるんじゃないの?ww
まぁあの人も今巻では表紙を飾ったりと比較的ヒロインっぽかったけど。

今巻のフレンダは神華の友人として、意外な一面と、
物語の行方を左右する重要な役割を担った。
今巻では彼女の善人としての一面が強調されていましたが、
それはあくまで神華目線に限っての話であることに要注意ですね。
無関係な他人の命をなんとも思わない悪人としての一面もあって、
ついでにおっちょこちょいでお調子者な一面も彼女にはある。
視点を変えると印象がガラリと変わる、この多様性こそが彼女の真の魅力。
いい意味でも悪い意味でもとても人間らしいキャラですよね。

まとめ

てなわけで新約禁書の第12巻。
新約第1巻から続いたグレムリンとの戦いを終え、
新たにオティヌス(小)を家族に迎えた上条さんの日常と、
次なる大きな戦いへのつなぎといった印象がそこそこ強い巻。
なんだか久しぶりに思える日常パートは安定の面白さでした。

一方のバトルパートも相当読み応えがあったのですが、
サンジェルマン関連における抽象的な表現の連続には、
やはりモヤモヤさせられてしまいました。
まぁ単純に私の読解力と想像力が足りないだけなのでしょうけど。

さてさて、今巻ではいよいよ動き出した魔人たち、
・・・に対するアレイスターのまさかの先制攻撃と、
先の戦いが気になる描写の連続でした。
対魔術特化の木原犬といい、これまで静観を続けていきたローラといい、
これらの面々がどのような戦いを引き起こしていくのかが楽しみですね。
・・・毎回似たようなことを言っている気がしますが気にしない方向でw
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[ 2015/03/28 21:00 ] ライトノベル感想 | CM(2) | TB(1)
[ 2970 ] Re: 新約 とある魔術の禁書目録 12巻
>最終的にどういう存在だったのか、
>どういう目的を持っていたのかも曖昧なサンジェルマン。

ラストバトルでの上条さんの推理を信じるなら、嘘を重ねすぎて本当の自分を見失い、ただ魔神たちへの対抗心だけで世界を引っ掻き回す哀れで傍迷惑な亡霊って感じでしょうかね。
嘘と演技で武装しながら、根本的な目的は空虚で、矛盾だらけで破綻していて、それゆえに振り回されてしまう質の悪い詐欺師にして愉快犯。
個人的にサンジェルマンからは、そんな印象を受けました。

生前のサンジェルマン(レディリーやフロイラインを知っているので、少なくとも数百年前の人物)の人格と思想を、あの丸薬を含む諸々の手段で他人に感染させてるみたいですが、魔神が位相を差し込んだ世界にも湧いてくるウィルスのような存在、という部分から、ミサカネットワークの「総体」のように生者と死者のデーターが混じりあったものだったのかもしれませんね。

オディヌスの言うように、こんな風に想像や考察すること自体、サンジェルマンの思う壺かもしれませんがw

>本物の藍花悦は、「藍花悦」という学園都市内では最強クラスの武器を貸し、
他人に行動を促したりすることを事業として手がけている模様。


本物の藍花悦に雇われてる不良少年のセリフから、個人的には物語シリーズの忍野メメみたいな印象を受けました。
圧倒的な実力を持ちながら、それを無闇に振るうことをよしとせず、「手は貸してやるから助かりたければ自分で助かれ。 そうでないと意味がない」というスタンスをとってる辺りが。

>時折、思い出したかのように出番がやってくる故人、フレンダ。
>特に登場人物過多な今作ではすっかり出てこなくなったキャラも多い中、
故人でありながらこれほどまで優遇されるってのはもはや偉業ですねw

むしろ故人だからこその優遇ぶりかもしれませんね。
「思い出になった人間には誰も勝てない補正」が入ってる気がしますw
[ 2015/03/31 01:49 ]
[ 2973 ] 河原さん、コメントありがとうございます
> 生前のサンジェルマン(レディリーやフロイラインを知っているので、少なくとも数百年前の人物)の人格と思想を、あの丸薬を含む諸々の手段で他人に感染させてるみたいですが、魔神が位相を差し込んだ世界にも湧いてくるウィルスのような存在、という部分から、ミサカネットワークの「総体」のように生者と死者のデーターが混じりあったものだったのかもしれませんね。

ある画一の思想を通じ、生者と死者の境を超えた存在、
碓かにこれこそがサンジェルマンの正体である可能性は高いですね。
第9巻で魔神オティヌスの能力をくぐり抜けた、
「総体」の存在をもっと重要視すべきだったようですね。

> 本物の藍花悦に雇われてる不良少年のセリフから、個人的には物語シリーズの忍野メメみたいな印象を受けました。
> 圧倒的な実力を持ちながら、それを無闇に振るうことをよしとせず、「手は貸してやるから助かりたければ自分で助かれ。 そうでないと意味がない」というスタンスをとってる辺りが。

忍野の場合はあくまでビジネスとして力を貸しているのですが、
(それ故に肝心要の部分は依頼主に委ねている、仕事の範囲を明確に区分している)
藍花悦の場合はあくまで利益は度外視でこういう行いをしていることに違いがありますね。
でもって、人間は基本的に自らに益がない行為は決して行わない、
故に自らの報酬を明示せず力を貸してくる輩は決して信用ならない、ってのが私の持論です。

> むしろ故人だからこその優遇ぶりかもしれませんね。
> 「思い出になった人間には誰も勝てない補正」が入ってる気がしますw

うん、フレンダに関しては死者故の補正が大いに入っていると思いますw
本来は善悪入り混じった、良くも悪くも人間らしい人間であったはずなのに、
死んでからは妙に善の面ばかり強調されてきて、
個人的にはちょっと違和感を感じるほどです。
[ 2015/04/05 21:12 ]
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とある魔術の禁書目録II
とある魔術の禁書目録IIに関するアニログです。
[2015/03/28 21:38] anilog