Fate/stay night UBW 第12話。
タイガーを人質に、軍門に下るようキャスターに命じられた士郎は・・・。
以下感想
「正義の味方」としての選択
タイガーを人質に、軍門に下るようキャスターに命じられた士郎は・・・。前回、士郎とのやりとりで憤りを感じていた凛は、
決闘、ではなく隣街でのデートで士郎を叩き潰そうとする。
「衛宮くん」から「士郎」に呼び方が変わってる点に本気っぷりを感じる。
あくまでセイバーというコブ付きのデートなのですが、
そのセイバーも普段以上に可愛らしかったのでまったく問題なし。
というかこのデートを一番満喫していたのは間違いなくセイバーですよねw
このデート、士郎だって明らかに楽しんでいる様子であった。
しかし士郎は決して、そのことを素直に認めようとはしない。
自分の気持ちを押し殺してムリをしているこの感じ、
第四次聖杯戦争中の切嗣にホントそっくりですよねぇ。
悲劇故にここまで歪んでしまったのですから気の毒には思う、
だけど同時にものすごく腹立たしくもある。
なので凛が士郎に憤る気持ちもとてもよくわかります。
デートの帰り道、士郎たちはキャスターの結界内に捕らわれる。
そこでキャスターは士郎とセイバーを手駒にしようと、
タイガーを人質に、士郎に軍門に下るよう強要してくる。
それに対する士郎の回答は「決して仲間にはならないが令呪は譲る」
結果士郎はタイガーと引き換えに、令呪を、セイバーを失うことに。
キャスターの宝具「ルールブレイカー」は、
私の記憶が確かなら「あらゆる魔術を初期化する」というもの。
士郎とセイバーの契約を初期化し、自身との契約に移し替えたってところですね。
士郎に迫られた選択は「大切な家族を取るか、街中の人間の命を取るか」
仮にアーチャーであればおそらく前者(キャスターの軍門に下る)を選び、
切嗣であれば間違いなく後者(キャスターを倒す)を選んだことでしょう。
しかし他の2人と違い、「正義の味方」という理想を抱き続ける士郎は、
自身を犠牲にすることでその両方を同時に守ろうとした。
一歩間違えば両方とも守れない、ただの愚策としか言いようがないのですが、
士郎の精神性を考慮すれば納得の選択であったと思います。
しかしここで忘れてはならないのは、「今回の士郎はとにかく運が良かった」
そもそもにして自分の命一つを賭けたぐらいで、
タイガーの命と街中の人間の命の両方を守れるだなんて都合の良すぎる話。
「正義の味方」という理想を貫く意思の硬さは認めますが、
それを実現させたのは「強運」であって「強さ」ではありませんでした。何が言いたいかというと、力及ばず理想を実現できなかった切嗣との違いは、
今のところはあくまで運の良さしかないよねぇ、ってことです。
ルールブレイカー
セイバーを入手したキャスターは、ルールを破り聖杯の入手に乗り出す。アーチャーの参戦、セイバーの最後の意地のおかげで、
士郎は大怪我を負いながらもタイガーと共に生還を果たす。
その立役者であるアーチャーは、凛の推理では「セイバーに肩入れしていた」
さらに面識があるはずもないタイガーの身を案じていた。
第7話で「人間なんて所詮いずれは死ぬもの」と言っておきながら。
Aパートでの「身長の件」といい、これまた露骨にヒントを散りばめてきたなぁ。
真実を知る今だから余計にヒントに目が行くだけかもしれませんけど。
セイバーを手に入れたキャスターは、葛木の護衛をアサシンに任せ、
「小さい方の聖杯」を手に入れるべく、不可侵の中立地帯である冬木教会へ。
Zeroと同様、監督役はキャスターの扱いに苦労させられてますねぇ。
まぁ綺礼の場合は綺礼なりにこの状況を楽しんでいるようにも観えましたがw
あと、Zeroの最終回でも似たことを思ったのですが、高貴な花であるセイバーは、
こうして徹底的に貶められてこそ最も美しい輝きを放ちますよねww今までのバケモノじみた回復力も今は発揮されない、正真正銘ただの足手まとい。
そもそもマスターでなくなった今となってはもはや戦う理由もないはず。
それでも共に戦おうと食い下がろうとする士郎を、凛は厳しい言葉で突き放す。
士郎の身を案じてのことだと士郎自身もよくわかっているはず。
凛こそが
第1話での恩人であったと知ったとなればなおのこと。
だからこそ、「生きていることに罪悪感を抱く」士郎にはこの状況は耐え難いはず。
それに万が一にも士郎が凛の忠告通りこの戦いを降りたとしても、
避難場所である冬木教会こそが今まさに戦いの渦中だしなぁ・・・w
まとめ
Fate/stay night UBW、1クール目のクライマックス。
そりゃ放送開始時からずっと覚悟していたことですが、
やっぱり、ものすっごくいいところで3ヶ月間のお預けを食らうことに。
ランサーやギル、アーチャー、そして士郎の真の見せ場もこれから。
この分だと2クール目の濃密っぷりは1クール目の比じゃなさそう。
てなわけで一刻も早く3ヶ月経ってほしいと願うばかりです。
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今のところはあくまで運の良さしかないよねぇ、ってことです。
まあ、凜やセイバーの言うようにキャスターが約束を守る保証なんてありませんでしたしね。
しかもキャスターが健在である限り、町の人たちが危機に見舞われている状況は変わりませんしね。
原作者のツイートによると士郎なりに熟考した上での選択だったらしいですけどね。
それでもキャスターの甘さとセイバーの意地とアーチャーの助力がなければ、何も守れないところでしたね。
衛宮士郎という男は、自分の非力も現実の厳しさも承知していながら、目の前のすべてを救おうとしてしまう男なんですよね。
藤ねえを助ける為とはいえ、自ら裏切ってしまったも同然のセイバーをキャスターから助けようとするのも、士郎の中では矛盾のない行動なんでしょうね。
しかしながら、今の彼にはあまりにそのための力が不足しているという大問題があるわけですが・・・
>まぁ綺礼の場合は綺礼なりにこの状況を楽しんでいるようにも観えましたがw
偽悪家な部分のあるキャスターの本質を見抜いて抉る辺りはさすがですよねw