![結城友奈は勇者である 2 [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51YQWgz8znL._SL160_.jpg)
結城友奈は勇者である 最終話。
友奈は世界を、東郷さんを救えるのか・・・。
以下感想
勇者とは・・・
友奈は世界を、東郷さんを救えるのか・・・。暴走する東郷さんを止めようと立ちふさがる友奈に対し、
東郷さんは偽らざる、彼女の本当の気持ちを吐露する。
「自分の涙の意味がわからない」
そんな彼女に叫びがあまりにも痛ましくて、こっちまで泣きそうになってくる。
失ったモノがどれほど大切なモノだったのか、
記憶には残っていなくても魂には残ってしまっているからこそ、
それをどうしても取り戻せないことが悔しくて仕方がない。
いっそ何もかも全部失くなってしまえばどれほど楽になれるでしょうか・・・。
「ずっとそばにいるから絶対に忘れない」
その言葉と共に、鉄拳制裁→抱擁のコンボで、
友奈は絶望する東郷さんを止めることに成功する。
友奈の言葉には一欠片の根拠もなく、本来なら東郷さんを納得させるには不十分。
しかし文字通り肌で感じた友奈の存在感がそれを埋め合わせたのでしょう。
彼女の絶望が理屈では語れないものであるのであれば、
それを払拭させたのもまた理屈では語れないものであったってところですね。
燃え盛る太陽と化し神樹に突撃するバーテックスを、
樹、風、夏凜、東郷さん、そして友奈、勇者部5人が阻止する。
その後友奈を除く4人は、勇者の御役目から解放され、後遺症も回復していく。
「なんで供物が返されたのか?」その理由が具体的に明かされていないため、
なんとも言いがたいところではあるのですけど、
「神樹って気まぐれでいい加減なクソ野郎だな」ってのが個人的な印象です。
人類を救ったのも、見返りに供物を求めたのも、それを取りやめたのも、
全部が全部その場の気分次第としか思えないから。
まぁ所詮神様なんてそんなものなんで別にいいっちゃいいのですけど、
こんな自分勝手な存在を敬う気も感謝する気も到底起きないです。で、そんな神樹に毎日頭を下げなきゃならんこの世界はやっぱり気持ち悪い。
4人が後遺症から回復していく中、一人で頑張りすぎた友奈だけが目を覚まさない。
しかし友奈は東郷さんとの約束を違えるような人間じゃなかった。
文化祭の劇での言葉を借りれば、友奈は一人ぼっちでも決してくじけず戦い続け、
そしてその戦いに勝ってきたってことなのでしょう。
で、劇での描写から察するに、友奈の戦いは完全には終わってないのでしょう。
ご都合主義
この作品のクライマックスについて。前回から予想していたこととはいえ、
これまたなんとも賛否が分かれそうな最終回でしたね。
そこで今回もこの点について私の意見を述べておくとします。
最初に結論を言っておきますと、私は賛成派です。
ちなみにこの結末は、私の中で3番目ぐらいに望んでいたものだったりします。
まずAパートについて、こちらはほぼ理想通りと言っていい。
東郷さんが本心を吐露し、友奈がそんな彼女を力強い言葉で救う。
これはまさしく私がこの最終回に求めていたものそのものでした。できれば友奈には、当人たちの間だけででしか伝わるもの(友奈の体温)でなく、
視聴者にもハッキリ伝わる理由で東郷さんを説得してもらいたかったのですけど。
私もそこまでを求めるのはさすがに望み過ぎだと自覚しているので、
「ほぼ理想通り」という結論になります。
続いてBパートについてですが、
こちらはよかったと思える点とよくなかったと思える点の両方があります。
こういう場合はまず悪い方から話を進めるべきだと思うので、まずはそちらから。
一つ目は言うまでもないと思いますが、「何の脈絡もなく後遺症が治った点」です。
おそらくこの作品に集まるであろう批判の大半がこれについてでしょう。
この物語をハッピーエンドに向かわせるためには碓かにこれしかないでしょう。
だけど私は前提をひっくり返してまで、これまでの積み重ねを無為にしてまで、
それでもハッピーエンドが観たいとは思っていませんでした。
(断っておくと別にバッドエンドが観たかったというわけではありません)
二つ目は「友奈復活後の描写がムダにしつこかった点」ですね。
文化祭の伏線回収、さらに後のメディア展開を見越してのことだと理解できますが、
(そういう意図が見え透いているから余計に不快だったってのもありますけど)
ただでさえご都合主義な結末で批難が集中するであろうと予想できるのに、
それを余計に意識させるだなんて悪手としか言いようがないです。この手の物語では「さらっと希望をちらつかせる」のが美しい終わり方でしょう。
で、ここからはよかったところなのですが、
これは一見上記と矛盾するようですが「友奈がちゃんと復活してくれたこと」
厳密に言うと「東郷さんとの約束をちゃんと守ってくれたこと」ですね。
この作品における私にとっての最悪の結末、
「自己犠牲の結果、東郷さんをさらなる絶望に突き落としてしまう」
を見事に回避してくれたからです。
Aパートで不足していた「理由」の部分についても、
後出しながらこうして行動で示されてしまうと、とても文句は言えないです。
以上から、私にとってこの作品の結末は、
「不満はあるものの、以前から求めていたものは概ね満たしていた」
なので最初に書いたような結論に行き着きます。
ちなみに一番望んでいた結末を述べておくと、
「都合のいい展開なんか起きず、状況は好転しないまま。
それでも勇者部の"5人"は決して諦めず、その結果微かな希望に手が届く」
というものでした。
まとめ
てなわけで「結城友奈は勇者である」の感想でした。
上記の通り個人的には概ね満足のいく結末でした。
特に物語終盤はいろいろと考えさせられ、言いたいことも言い尽くした。
この点も加味するとやはり「満足している」としか言いようがないです。
あからさまにさらなる展開を期待させる終わり方でしたので、
この点も楽しみにしつつ、今は余韻に浸るとします。
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確かにそれしかなかったが、ド直球で来たかw
バーテックスが(一時的にでも)かなり消耗した事による神樹様の負担の軽減と、
先代プロトタイプと合わせて満開ぶん回しまくった事で最適化が進んだと見るべきか。
…東郷さん作の超弩級バーテックスが役に立ったということでw
(東郷さんが神樹様ビビらせたって説もあるがw)
個人的には管理人氏と違って、神樹様は親切だと思っているので(大赦は状況次第)、
供物は今までは不可欠な要素であり、解消されたので返却説を推したい。
…だってさ、神様の大部分的に回しても味方してくれて300年、
前世紀と変わりない生活を四国だけで送れるように日々頑張ってくれている訳だから。
明らかに能動的に味方してくれている神様が、高いレベルで敬ってくれている人々から、
無意味に見返り求めたりするとは思えないんだよね…あくまでも個人的印象として、ね。
投げっぱなしという批判も結構多いが、
この作品の肝は、勇者(勇者部+園子)以外からの視点が一切ない物語である事。
(鷲尾は別作品なので考慮しない)
誰かが言っていたが、まさに「勇者部活動記録」。
JCが、降りかかった使命と災難、目の前の苦難を乗り越えていくミクロな物語。
だから、世界の真実とか根本的な救済とかは背景ではあるが「結城友奈」の主題ではなく、
その辺りがマクロ視点で描かれるとしてもこの「結城友奈」内ではないのかな、と思ったり。
実は、精霊消えて花びらのシーンで牛鬼だけ友奈の上に出てきてない…
一人だけ契約解除されていない?
あるいは素手でバーテックスに触れた事で何かランク上がったとか…
そう解釈すると回復の遅れや立ち眩みのシーンの意味がひっくり返るかも知れんw
つまり「結城友奈「は」勇者である」なのか?w
ここ数話、お疲れ様でしたw